研究の実績

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 なお、公開しているデータにつきまして、引用・転載等する場合は出典を明記するようお願いします。


  ◆1 アメリカ社会科価値学習論研究
  ◆2 社会問題学習論(法理学的アプローチ)に関する研究
  ◆3 批判的思考力育成論(批判的教授法)に関する研究
  ◆4 社会参加学習論に関する研究
  ◆5 米国社会科教育史研究
  ◆6 学力論や評価論に関する研究(状況論に関する研究)
  ◆7 カリキュラム理論、授業分析方法論、社会科教育学研究方法論、および教師教育に関する研究
  ◆8 教師や教師志望者の学生に関する調査研究
  ◆9 大学の教員養成に関する調査研究
  ◆10 学習指導要領の解説に関する原稿
  ◆11 教育問題についての世論への問いかけ
  ◆12 子どもの学びに関する調査研究
  ◆13 ジェンダー問題をテーマにした研究
  ◆14 社会科歴史教育に関する研究(シティズンシップと歴史教育の関係に関する研究)
  ◆15 教材開発・調査の方法論に関する研究
  ◆16 その他

◆1 アメリカ社会科価値学習論研究

 アメリカ合衆国に限らずどの国の教育も、「客観・中立」であることを装うために、価値判断の分かれるようなテーマをできるだけ避け、国民間に強く合意のある事柄のみを「事実」として教授することに力点を置く傾向がありました。しかし合衆国では、こうした価値のとり扱いを学校で回避する傾向があることについて、その見直しの動きが1960年代後半ごろから生じ、様々な価値学習の教育論やカリキュラム教材が登場するようになりました。
 私は、博士論文(課程博士)でこの1960年代後半以降のアメリカ合衆国で活発に開発された一連の価値学習論や価値学習のカリキュラム教材(価値明確化学習、人格教育(キャラクターエデュケーション)、道徳性発達教育、法関連教育などを含む)を研究対象とし、それらが民主主義社会の主体的な形成者育成に向けてそれぞれどのような貢献可能性と抑制可能性があるのかを体系的に検討し、最終的に一冊の著書(『アメリカ社会科における価値学習の展開と構造』)にまとめました。

【著書】
・渡部竜也『アメリカ社会科における価値学習の展開と構造――民主主義社会形成のための教育改革の可能性』風間書房、2015年。

【関係論文】
・渡部竜也「市民性育成のための社会科カリキュラムの構成原理――“社会科における法”シリーズを手がかりとして」『教育学研究紀要』第二部、第46巻、2000年。
・渡部竜也「法原理批判学習――法を基盤とした社会科の改革」『社会科研究』第56号、2002年。
・渡部竜也「歴史における思想批判学習――合衆国歴史用教材『思考への扉』の場合」『社会系教科教育学研究』第15号、2003年。
・渡部竜也「多文化的構築主義に基づく社会科教育内容編成の原理――文化相対主義の課題の克服」『広島大学大学院教育学研究紀要』第52号、2003年。
・渡部竜也「アメリカ社会科における社会問題学習論の原理的転換――「事実」を知るための探求から自己の「見解」を構築する探求へ」『教育方法学研究』第29巻、2003年。
・渡部竜也「アメリカ社会科における社会問題学習の授業構成論――分析枠組・判断基準の意義」『日本教科教育学会誌』第27巻第1号、2004年。
・渡部竜也「宗教的価値を扱う学習の市民的資質育成における原理的限界――アメリカ合衆国の教師用指導書の実態を手がかりとして」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第57集、2006年。
・渡部竜也「法思想の変遷と法学習論の展開に関する史的・原理的考察――「公民科法学習」「社会科法学習」「法関連教育法学習」の相克」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第60集、2009年。
・渡部竜也「思想的価値を扱う学習の市民的資質育成における原理的限界――米国の「価値分析」学習論と「価値明確化」学習論の比較的考察を通して」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第63集、2012年。
・渡部竜也「市民的資質育成における法規範的価値学習の到達点――道徳性発達教育とハーバード社会科の比較を中心に」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第64集、2013年。
・渡部竜也「米国における「批判的思考」論の基礎的研究(II)――ブルーナーの「学問の構造」論をMACOSから読み解く」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系II』第65集、2014年。

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◆2 社会問題学習論(法理学的アプローチ)に関する研究

 私としては、◆3と並行して行っている研究であり、2つで1つになります。◆3では、「社会問題提起力」に関する色彩の強い論文を主に挙げました。こちらは、もう一つ私が注目しているハーバード大学が開発した「法理学的アプローチ」に軸を置いた研究を挙げてみたいと思います。なぜ社会科教育者たちは、「法理学」に関心を向けたのか。そこには、従来の(デューイやその追随者らによる)社会問題学習論へのオリバーらの強い問題意識がありました。これは私の問題関心にも通じるものがありました。

【著書】
・ドナルド・オリバー、ジェームズ・シェーバー著『ハーバード法理学的アプローチ』(仮題)(準備中)

【論文】
・渡部竜也「市民的資質育成における法規範的価値学習の到達点――道徳性発達教育とハーバード社会科の比較を中心に」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第64集、2013年。
・渡部竜也「法思想の変遷と法学習論の展開に関する史的・原理的考察――「公民科法学習」「社会科法学習」「法関連教育法学習」の相克」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第60集、2009年。
・渡部竜也「アメリカ社会科における社会問題学習論の原理的転換――「事実」を知るための探求から自己の「見解」を構築するための探求へ」『教育方法学研究』第29巻、2004年。
・渡部竜也「アメリカ社会科における社会問題学習の授業構成論――分析枠組設定の意義」『日本教科教育学会誌』第27号、2004年。

【原稿】
・渡部竜也「社会問題科としての社会科」社会認識教育学会編『新社会科教育学ハンドブック』明治図書、2012年。
・渡部竜也「論争問題学習」『公民教育事典』第一学習社、2006年(166頁)。

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◆3 批判的思考力育成論(批判的教授法)に関する研究

 社会科で育成するべき批判的思考(力)とは何か、そしてそれはどのようにしたら育成できるのか――こうしたテーマにも現在取り組んでいます。なお、この研究はまだまだ未完成です。
本研究では、次のような手順を踏む予定です。ただし発表は順不同で進むと思います。

@社会科で育成するべき批判的思考(力)とは何かについて考察するために、批判的思考育成をめぐる様々な議論(特に合衆国での議論)の整理・比較考察を進めていく。
Aその中で特にジルーら急進派の批判的教授法がもたらす批判的思考力の個性(=私はこれを「社会問題提起力」の育成と位置づける)と、その社会科教育における重要性を論じる。
B米国において批判的教授法は、提唱者たちが具体的な計画などを示さないことから、「言葉遊び」化しつつある。これに対して昨今ではアップルらは強い危機感を覚えており、現場の実践事例を収集して示していこうとする動きもみられるが、私としてはこれにも限界があると考える。これについて論じる。
Cこれまでの議論を踏まえて、我が国の文脈に合った「社会問題提起力育成」を目指す授業の開発も進めていく。主に日常生活の自明視された制度や習慣、行為(特に学校という制度やそこにある慣習)を「批判的に見直す」ことに焦点をあてた授業づくりをしている。
 自明視しているものに問いをもてる人間(社会問題を提起できる人間)こそが、民主主義社会における究極の「知識人」であり、学校教育(普通教育)の目指すべき究極の目標ではないだろうか、というのが私の考え方です。
この研究は、ハーバード法理学アプローチに対する私の疑問から生まれてきた研究で、やがて私の研究の軸の一つとなりました。

【著書】
・ヘンリー・ジルー著(渡部竜也訳)『変革的知識人としての教師――批判的教授法の学びに向けて』春風社、2014年。

【論文】
《@に関するもの》
・渡部竜也「米国における「批判的思考」論の基礎的研究(T)――学問中心カリキュラムにおける「学問の構造」論の展開」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第62集、2011年。
・渡部竜也「米国における「批判的思考」論の基礎的研究(U)――ブルーナーの「学問の構造」論をMACOSから読み解く」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第65集、2014年。
《Aに関するもの》
・渡部竜也「自由主義社会は「政治的なもの」の学習を必要としないのか――尾原康光氏の論考の再検討」『公民教育研究』第17号、2010年。
・渡部竜也「社会問題提起力育成をめざした社会科授業の構想――米国急進派教育論の批判的検討を通して」『社会科研究』第69号、2008年。
・渡部竜也「法原理批判学習――法を基盤にした社会科の改革」『社会科研究』第56号、2002年。
《Bに関するもの》
※ 『変革的知識人としての教師』の「あとがき」に若干説明がありますが、現在研究中です。
《Cに関するもの》
・渡部竜也「社会問題提起力育成のための授業構成の理論と方法(1)――単元「社会問題の定義から領土問題を考える」・「デパートに窓がなぜないの?」の開発を通して」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第66集、2015年。
・渡部竜也「社会問題提起力育成をめざした社会科授業の構想――米国急進派教育論の批判的検討を通して」『社会科研究』第69号、2008年。
・渡部竜也「批判的思考力を育成する地図学習の単元開発――「構築主義アプローチの罠」の克服を通して」『教育学研究ジャーナル』第3号、2007年。
・渡部竜也「社会認識教育としての消費者教育の創造――「差異の産業的生産」を視点にした単元の開発」『社会系教科教育学研究』第19号、2007年
・池野範男、渡部竜也、竹中伸夫「「国家・社会の形成者」を育成する中学校社会科授業の開発――公民単元「選挙制度から民主主義のあり方を考える」『社会科教育研究』第91号、2004年。
《その他》
・池野範男、竹中伸夫、渡部竜也「認識変容に関する社会科評価研究(1)」『学校教育実践学研究』第10号、2004年。

【原稿】
・渡部竜也「(3)校則は私たちを『縛る』のに、なぜ私たちが変えることができないの」橋本康弘編『教室が白熱する“身近な問題の法学習”15選:子どもの疑問と悩みに答える授業』明治図書、2009年(125〜135頁)。

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◆4 社会参加学習論に関する研究


 こちらは、◆2や◆3の派生で研究として扱うようになりました。私は、法理学的アプローチの開発に貢献したメンバーの一人であり、米国急進派とも親交のあるフレッド・ニューマンの「社会参加学習論」を支持する立場にあります。ニューマンの社会参加学習論は、「ロビー活動」ができる市民の育成に力点を置いています。ニューマンはいわゆる「奉仕学習(サービスラーニング)」として行われている参加学習の多くに否定的で、自らの学習論が奉仕学習論者に利用されることを大変に警戒していると言われています。
 私は、ニューマンの社会参加学習論と、日本型サービスラーニングといった奉仕学習とを同列に扱ってはならないと考えています。また、ニューマンの社会参加学習を、「70年代型」と呼ぶことで、時代遅れ(発展途上)のものと評価するべきではないと考えています。
 なお、ニューマンの社会参加学習論とセットで、彼の真正な評価・学力論を見て頂くと、真正な評価論や学力論の本質についてもよく分かると思います。

【著書】
・フレッド・ニューマン著『真正な学力にむけて』(仮題)(準備中)

【原稿】
・桑原敏典、工藤文三、棚橋健治、谷田部玲生、小山茂喜、吉村功太郎、鴛原進、永田忠道、橋本康弘、渡部竜也「小中高一貫有権者教育プログラム開発の方法(1)−「選挙」をテーマとする小学校社会科の単元の開発を通して―」『岡山大学教師教育開発センター紀要』第5号、2015年。
・渡部竜也「“有権者教育”の課題」『社会科教育』8月号、2014年。
・渡部竜也「新しい公民学習(2):政策立案への参加」『社会科教育実践ハンドブック』明治図書、2011年(141〜144頁)。
・渡部竜也「フィンランドのシティズンシップ教育(第4回)――主権者形成の基礎として社会諸科学に基づく『見方・考え方』の修得を重視したカリキュラム」『私たちの広場』第314号、2010年。

・渡部竜也「フィンランドのシティズンシップ教育(第5回)――活動的主権者の形成に向けたフィンランドの新たな試み」『私たちの広場』第315号、2010年。


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◆5 米国社会科教育史研究

 ◆1〜4に取り組むと、自然と米国の社会科教育史の研究も進んできます。特に米国の「社会改造主義」という考え方を持つ思想家に注目し、その重要文献の翻訳(とそこにある理論の吸収)を軸とした研究を進めております。

【著書】
《米国社会科教育論シリーズ》
・NEA中等教育再編委員会編(渡部竜也訳)『世界で最初のシティズンシップの公式カリキュラム―NEA報告書『中等教育における社会科』『コミュニティ・シヴィックス』』(仮題)(準備中)(原著は1915年と1916年)
・ハロルド・ラッグ著(渡部竜也ほか訳)『アメリカの社会生活と学校カリキュラム』(仮題)(準備中)(原著は1936年)
・ドナルド・オリバー、ジェームズ・シェーバー著『ハーバード法理学的アプローチ』(仮題)(準備中)(原著は1966年)
・ヘンリー・ジルー著(渡部竜也訳)『変革的知識人としての教師――批判的教授法の学びに向けて』春風社、2014年。(原著は1988年)
・フレッド・ニューマン著『真正な学力にむけて』(仮題)(準備中)(原著は1996年)
・スティーブン・ソーントン著(渡部竜也、山田秀和、田中伸、堀田諭訳)『教師のゲートキーピング――主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて』春風社、2012年。(原著は2004年)
・キース・バートン、リンダ・レヴスティク著(渡部竜也、草原和博、田口紘子、田中伸訳)『コモン・グッドのための歴史教育――社会文化的アプローチ』春風社、2015年。(原著は2004年)

【原稿】
・渡部竜也「Social Studies」『新版 社会科教育事典』ぎょうせい、2012年(4〜5頁)。
・渡部竜也「米国の社会科教育史の研究動向――NCSSを中心に」片上宗二、木村博一、永田忠道編『混迷の時代!“社会科”はどこへ向かえばよいのか――激動の歴史から未来を模索する』明治図書、2011年。
・渡部竜也「世界の窓=アメリカから 社会科教育の岐路―市民性育成をめぐる攻防」『社会科教育』2月号、2007年。

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◆6 学力論や評価論に関する研究(状況論に関する研究

 最近では、◆2〜◆4の研究を進めるうちに、従来の内容知重視の社会科の学力論や評価論を抜本的に見直さないと、主権者育成に社会科は殆ど寄与できなくなるという危機感を持つようになりました。
 社会科は主権者の形成をその教科のねらいとする限りにおいて、学力も内容知(know that)だけではなく、方法知(know how)や、さらには文脈知(know where and know when)にまで広げて検討していかねばならない…これが私の立場です。
 「客観的な計測が難しいという問題点がある」ということを理由に内容知に固執したり、社会科は主権者育成という目標から一歩引きさがり、その準備教育として内容知(理論や法則)を教えようとしたりする従来の考え方や姿勢は、殆どの学習者たちにとって社会科は学ぶ意味を見いだせない学習となる、これが私の立場です。昨今の「正統的周辺参加」論に特に注目しています。

【著書】
・フレッド・ニューマン著『真正な学力にむけて』(仮題)(準備中)
・キース・バートン、リンダ・レヴスティク著(渡部竜也、草原和博、田口紘子、田中伸訳)『コモン・グッドのための歴史教育――社会文化的アプローチ』春風社、2015年。

【原稿】
・渡部竜也「文脈読解力(文脈知)の育成」『社会科教育』11月号、2007年。

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◆7 カリキュラム理論,授業分析方法論,社会科教育学研究方法論及び教師教育に関する研究

 ◆2〜◆6までを踏まえて、私なりの教師教育論を最近構築しております。私は、「ねらいの議論(aim talk)」を重視する教科教育学中心の教師教育論の構築を目指しております。教育の根源から授業や単元の在り方を問える教師づくりこそが、大学で行うべき(大学でしか行えない)教師教育と考えています。
 私は主に、次の立場を批判しています。
@教育方法と教育内容を分離して議論を進める教師教育論への批判(教科内容学批判など)
Aカリキュラムと授業を分離して議論を進める教師教育論への批判(教育技術中心主義批判)
B教師の同僚性万能論批判(レッスン・スタディ批判など)
C脱文脈主義的、主知主義的教師教育論への批判(PCK批判など)
 この@からCを踏まえて、社会科教師は授業や単元を作るときにどういった視点を育成する必要があるのか、そしてそれを育てるにはどういった教員養成カリキュラムや、大学卒業後の支援体制が必要なのかを研究しております。具体的には、二段階分離授業検討法というものを開発しました(D)。
 こうした議論は、同時に「大学の先生は現場のためにどういった研究を重視しなければならないのか」という問い(=社会科教育学研究方法論をめぐる議論)にもつながります。本来教師がすべきことを大学の教員や研究所の職員が研究してしまうことは、場合によっては、A「カリキュラムと授業の分離」などの問題を引き起こしかねないですから。

《@〜Cに関する研究》
【著書】
・ハロルド・ラッグ著(渡部竜也ほか訳)『アメリカの社会生活と学校カリキュラム』(仮題)(準備中)
・ヘンリー・ジルー著(渡部竜也訳)『変革的知識人としての教師――批判的教授法の学びに向けて』春風社、2014年。
・スティーブン・ソーントン著(渡部竜也、山田秀和、田中伸、堀田諭訳)『教師のゲートキーピング――主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて』春風社、2012年。(原著は2004年)
・キース・バートン、リンダ・レヴスティク著(渡部竜也、草原和博、田口紘子、田中伸訳)『コモン・グッドのための歴史教育――社会文化的アプローチ』春風社、2015年。

【論文】
・渡部竜也「我が国の社会科授業研究の特質とその意義――技術的熟達者から反省的実践家の視点へ」『日本教科教育学会誌』第35巻第4号、2013年。
・渡部竜也「ソーントン提案の読み方と日本の研究に示唆するもの――授業研究:目標先行か内容先行か?脱文脈の議論は可能か?」『社会科研究』第77号、2012年。
・渡部竜也「「授業研究」からみた社会科研究の方法論と国際化の課題――我が国の「規範科学」としての授業研究方法論:6つの展開」『社会科教育論叢』第48号、2012年。
・渡部竜也「カリキュラム・授業理論と教師教育論の連続的探求の必要性――教科内容専門領域改革に向けた研究方法への提言:社会科を事例として」『社会科教育研究』第110号、2010年

【原稿】
渡部竜也(連載)「大学の社会科教育研究よ、どこへ行く――研究者の暴走と現場の不満の間を埋める提案に向けて」『社会科教育』4月号〜3月号、2011〜2012年

《D(二段階分離・授業検討法)に関する研究》
【原稿】
・渡部竜也「中等社会系教育における授業分析方法論」棚橋健治編『教師教育講座 中等社会系教育』協同出版、2015年(235〜249頁)
・渡部竜也「発酵ならヨーグルトの方がよいのでは」日本教育技術学会研究開発チーム編『映像&活字で“プロの授業”をひも解く@:谷和樹「野田の醤油工場から日本の発酵技術へ」の授業』明治図書、2012年(75〜81頁)。
・渡部竜也「社会科の授業観察・授業分析」原田智仁編『社会科教育のフロンティア』保育出版社、2010年(69〜73頁)。
・渡部竜也ほか「中学校現職教員用研究プログラム」谷田部玲生研究代表『社会系教科における現職教員の授業力向上プログラムの作成のための研究』国立教育政策研究所、2009年。

・渡部竜也「授業力向上研修プログラムに関する研究(2)―中学校現職教員対象指導マニュアルの研究を通して―発表資料(前編)」2008年。

・渡部竜也「授業力向上研修プログラムに関する研究(2)―中学校現職教員対象指導マニュアルの研究を通して―発表資料(後編)」2008年。

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◆8 教師や教師志望者の学生に関する調査研究

【論文】
・渡部竜也「〔資料〕アメリカ合衆国社会科教師の意識調査――全米小中高教師対象アンケートの結果と解説」『学芸社会』第30号、2014年。
・大澤克美、川ア誠司、坂井俊樹、渡部竜也ほか「東京都小学校教員の授業に対する意識――社会科と理科を中心に」『日本教育大学協会研究年報』第31集、2013年。
・渡部竜也、川ア誠司「教師の年齢・経験年数が社会科授業の実態や意識に与える影響について――東京都小学校教員対象アンケート調査(2009年度)の結果を中心に」『学芸社会』第29号、2013年。
・渡部竜也「第二部 アンケート調査から」『学芸社会』第27号、2011年。
・渡部竜也「授業計画・実践の力量形成に与える法学・社会科教育学の専門性の影響に関する研究――法教育指導教員育成に果たす法学・社会科教育学連携の意義」『東京学芸大学 人文社会科学系U』第60号、2009年。

【資料】
・渡部竜也「「ねらいをめぐる議論(aim-talk)」を軸とした大学教員養成の編成原理昨今の日米の教育改革や教師教育論の批判的検討を通して―」2015年(OHP)(日本カリキュラム学会自由研究発表資料)
・渡部竜也「あなたの大学の教師教育は、このままで大丈夫?」2014年(OHP)。
・渡部竜也「授業力向上研修プログラムに関する研究(2)―中学校現職教員対象指導マニュアルの研究を通して―発表資料(前編)」2008年。

・渡部竜也「授業力向上研修プログラムに関する研究(2)―中学校現職教員対象指導マニュアルの研究を通して―発表資料(後編)」2008年。


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◆9 大学の教員養成に関する調査研究

【論文】
・田中伸、草原和博、渡部竜也、田口紘子、小川正人「日本の社会科教育研究者の研究観と方法論(2)――教科教育学者が目指すべき研究スタイルと理想像」『大阪大谷大学紀要』第48号、2014年。
・草原和博、渡部竜也、田口紘子、田中伸、小川正人「日本の社会科教育研究者の研究観と方法論――なんのために、どのように研究するのか」『日本教科教育学会誌』第37巻第1号、2014年。
・渡部竜也ほか「わが国の初等・中等社会科教員養成の実態に関する基礎的研究(U)――「社会科教育法シラバス分析及びアンケート調査を通した仮説の検証」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第61集、2010年。
・渡部竜也「わが国の初等・中等社会科教員養成の実態に関する基礎的研究(T)――大学主催の10年次研修の実態からみるわが国の教員養成」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第59集、2008年。

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◆10 学習指導要領の解説に関する原稿

 上の◆7にあるように、私の立場は、学習指導要領の目標や内容を、より社会科のねらい(多元主義的参加民主主義に貢献できる市民(主権者)の育成)に則したものにゲートキーピングする力を教師が持つことを要求するものです。学習指導要領の解説にあたっても、そうした教師の主体的で有意味なゲートキーピングを支援するための視点を保証することに重点を置いた内容にしています。

【原稿】
・渡部竜也「社会科の目標と内容」大澤克美編『第2巻 社会科教育』一藝社、2015年(70〜82頁)
・渡部竜也「『考える・わかる・理解させる』の使い分けに思うこと」『社会科教育』5月号、2011年。
・渡部竜也「『政治・経済』教育の諸問題・論争点」小原友行、桑原敏典、溝口和宏編『公民科教育』学術図書出版、2010年(154〜163頁)。
・渡部竜也「私は小学校学習指導要領をこう読み解く――社会科の原点(=公民中心課程)回帰を目指した新指導要領」『社会科教室』(日本文教出版)第54号、2010年。

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◆11 教育問題についての世論への問いかけ

 教育問題は決して教師や教育学者だけの問題ではないはずです。広く人々に、社会科をめぐる問題について考えてもらうようにしていくことも、我々研究者の責任ではないかと感じて、次の図書を発信しています。

【著書】
・草原和博・渡部竜也編『“国境・国土・領土”教育の論点争点――過去に学び、世界に学び、未来を拓く社会科授業の新提案』明治図書、2014年。

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◆12 子どもの学びに関する調査研究

 子どもの学力は、その教科が「好き」であるかどうかよりも、その教科に意味を感じているかどうかがカギなのです。

【著書】
・キース・バートン、リンダ・レヴスティク著(渡部竜也、草原和博、田口紘子、田中伸訳)『コモン・グッドのための歴史教育――社会文化的アプローチ』春風社、2015年。

【論文】
・吉田英文、須郷一史、中山南斗、渡部竜也「学習者の学習意識や学習方略が歴史理解に与える影響について――高等学校日本史Aの学習を事例に」『東京学芸大学紀要 人文社会科学系U』第66集、2015年

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◆13 ジェンダー問題をテーマにした研究

 決して多くはありませんが、ジェンダー問題について扱ったものもあります。

【原稿】
・渡部竜也「ジェンダーと社会科」『新版 社会科教育事典』ぎょうせい、2012年(354〜355頁)。
・渡部竜也「ジェンダー・センシティブ育成に向けた米国社会科教育の動向」唐木清志研究代表『アメリカ社会科のシティズンシップ教育に関する理論的・実践的研究』文部科学省研究費研究成果報告書、2009年。

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◆14 社会科歴史教育に関する研究(シティズンシップと歴史教育の関係に関する研究)

 社会科教育における歴史の学びは、「歴史(過去)を学ぶことそれ自体に意味はない」という立場(または「歴史(過去)それ自体に意味はない」という立場)にあります。そして歴史を「手段として」現代社会を理解したり、考察したりすることに重点を置いています。昭和20年代の歴史教育も、こうした立場にありました。
 しかし、どういうわけか、こうした伝統は近年どんどん廃れ、また我が国の歴史教育研究者の多くは、こうした社会科歴史教育論の功罪についてきちんと吟味もせず、歴史教育とは、歴史(過去)それ自体を学ぶことであるといった前提を当然のように扱っているケースが多いようです。子どもを何とか歴史に興味付けさせ、好きにさせていこうと、あの手この手…。でも、歴史嫌いは減りません。彼らは口々にこう言います。「もう終わったこと(過去)を学ぶことに、どういった意味があるんだ?」
 歴史を学ぶことに意味や必要を見いだせない多くの子どもたちは、こうした歴史オタクの教師や研究者から置き去りにされています。上の子どもの叫びを真摯に受け止め、歴史教育の在り方を問い直すには、本書はふさわしいと考えます。

【著書】
・NEA中等教育再編委員会編(渡部竜也訳)『世界で最初のシティズンシップの公式カリキュラム―NEA報告書『中等教育における社会科』『コミュニティ・シヴィックス』』(仮題)(準備中)(原著は1915年と1916年)
・ハロルド・ラッグ著(渡部竜也ほか訳)『アメリカの社会生活と学校カリキュラム』(仮題)(準備中)
・スティーブン・ソーントン著(渡部竜也、山田秀和、田中伸、堀田諭訳)『教師のゲートキーピング――主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて』春風社、2012年。(原著は2004年)
・キース・バートン、リンダ・レヴスティク著(渡部竜也、草原和博、田口紘子、田中伸訳)『コモン・グッドのための歴史教育――社会文化的アプローチ』春風社、2015年。

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◆15 教材開発・調査の方法論に関する研究

 学生は臨地研究の前に一度読んで欲しい原稿です。

【原稿】
・渡部竜也「教材研究における野外調査の意義」川ア誠司編『中高社会科へのアプローチ:社会科教師の専門性育成』東京学芸大学出版会、2008年(75〜82頁)。
・渡部竜也「「形容詞」に注意せよ!」『社会科教育』6月号、2007年。

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◆16 その他

 今後追加していく予定です。

※ このほか、ここに掲載していない報告書や雑誌に掲載されている原稿などもあります。
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